石川県の撚糸業は、特に長繊維分野で全国一の生産規模を誇ります。

  平成23年4月現在、石川県撚糸工業組合の組合員数は128社です。

県内の撚糸業を大きく分けると、

1) 生糸に撚りをかける絹撚糸
2) ポリエステルを主とする化合繊長繊維の撚糸
3) 合繊をかさ高加工する仮より
の3種類の撚糸が行われています。 撚糸工場は県内に広く分布していますが、
1) 小松市とその周辺地域
2) 河北郡七塚町とその周辺地域
においては特に密度の高い産地を形成しています。

  また、両隣の福井県、富山県においても撚糸業が盛んで、三県合わせて北陸産地と呼ばれ ることもあります。

  撚糸業者のほとんどは小規模、零細規模の企業であり、親企業から預かった糸を撚糸加工し加工賃を受け取る下請け賃加工形態で事業を続けています。昨今の景気の低迷や東南アジア諸国の追い上げにより、受注量 が激減し加工賃も低下しているため産地は縮小を続けています。

  国内の製造業は、諸外国に比べて生産コストの負担が大きく、特に電力料金は、先進諸国、 発展途上国のどの国と比較しても非常に割高に設定されています。 高い技術力を活かし他国に真似のできない差別化製品を生産する努力を重ねることも当然のことです。しかし、日本の高コスト構造が早急に是正されることが、撚糸業はもとより不振にあえぐ国内中小製造業を救う手だてと考えます。