昭和28年 石川県撚糸工業調整組合を設立
昭和33年 石川県撚糸工業組合と改称
昭和46年〜62年 過剰設備廃棄事業を実施
平成4年〜10年 構造改善推進事業を実施
平成11年〜現在 情報ネットワーク事業を実施

 

 三十余年にわたり業界を保護・規制してきた設備登録制を、平成5年に全廃し、調整組合 から事業組合へと変身を遂げました。
  以降、国際価格競争力の低下、国内景気の長期低迷 により地盤沈下の進む産地業界の構造改善、組合員企業の体質強化に努め、現在は業界の 情報化を推進し生産コスト削減を図っています。

 漢字で書くと『撚糸』。糸に撚(よ)りをかけること、または撚りをかけた糸のことです。『撚る』とはねじりあわせることです。”腕によりをかける””よりを戻す”このような言葉は『糸の撚り』を語源としています。
 皆さんは、糸に撚りがかかっていることをご存じでしたか?糸をねじりあわせると言われても、ピンとこないかもしれません。
 でも、 糸に撚りをかけることは、糸にとっても、その糸を使って作られる繊維製品にとっても、大変重要な役割を持っているんです。
 私たちの身の周りにある繊維製品、例えば、今、皆さんが着ている服や、窓にかかっているカーテン、テーブルクロス、ふとんやシーツ等、家の中にあるものだけでも、数え上げればキリがありません。家の外にも、車に乗ればカーシート、エアバックなど、レジャーならテント、ハングライダー、ウィンドサーフィン、雨が降ってきたらさす傘にも繊維製品(布)が使われています。私たちの暮らしは繊維製品がなければ成り立ちません。

  そういった繊維製品は、最初の糸の製造の段階から、様々な工程を経て皆さんが手にする製品となります。繊維産業の川上・川中・川下という言葉をご存じの方もいらっしゃるかも知れません。糸の製造を川上部門、糸加工、生地の製造、縫製を川中部門、製品流通 を川下部門と分けています。

  撚糸は川上部門の後、川中部門の最初に位置する糸加工という工程です。川上部門で製造された原糸(生糸)を受け取り、糸を引きそろえて撚りをかけて、次の工程である生地(織物や編物)の製造へ渡します。

  では、なぜ糸に撚りをかけるのでしょう?

  たとえば、かいこから取れる生糸。繭からほぐし出した糸はとても細く、そのままでは糸として使えません。何本かを束にしないといけないのですが、ばらばらになって扱いにくくなります。この生糸の束に軽く撚りをかけると、丈夫な一本の糸として使える様になります。

  もともと撚糸はこのような簡単な目的のためにおこなわれたのですが、撚りをかける回数(撚糸の単位 は、1メートルあたり糸が何回転したかで表します。)を変えたり、太さの異なる2本の糸を撚りあわせたり、1度撚りをかけた糸を何本かそろえて逆方向に回転させて1本の糸にしたり、色々な工夫をしているうちに、その糸で作られる生地の風合いや肌触り、丈夫さなどがまったく違ってくるという効果 がでてきたのです。

  現在では技術の進歩により、多種多様な撚糸がおこなわれており、糸に様々な表情をつけています。また合成繊維では従来にはなかった新しい繊維(原糸)がどんどん開発され、それに対応する新しい撚糸方法がたえず研究されています。

 撚糸加工には蓄積された高い技術力と、新しいものに対するすばやい適応能力が必要なのです。
 
生糸
ポリエステル原糸
上)ウレタン糸(芯)
下)巻き付ける糸  
ナイロン原糸
イタリー式撚糸機
ダブルツイスター
カバーリングマシン
仮より機
絹糸
ポリエステル強撚糸
カバードヤーン
ナイロン(嵩高)加工糸